無垢から生る強さ、ダイヤモンド

- Category - 誕生石の思い出

小さな頃からキラキラしたものに目がなかった私。

カササギのように道ばたに落ちている光り物を集めるのは当然の日課でしたが、

特に大好きだったものは新聞に挟まって送られてくる宝石屋さんのチラシ。

色とりどりなジュエリーの切り抜きを集め、画用紙に貼ってはうっとりするという奇特なお子様でした。

 

誕生石という存在を知ったのもそのチラシ達がきっかけです。

私は四月生まれということで、ダイヤモンドがそれに当たると知った時はどんなに嬉しかったことか…!

ダイヤモンドと言えば、宝石の中の宝石です。

この世で最も硬く、最も輝き、最も有名な石。

そんな『最も』という言葉が最も似合うダイヤモンドは、お値段もやっぱり相応しい相場なわけで……。

 

いつかお迎えしようとあくせくしているうちに時は経ち、結局ダイヤモンドを手に入れることが出来たのは、

憧れを持った歳から数えて20年後のことでした。

 

それは今年の私の誕生日での出来事。

結婚して4年になる主人が、突然ダイヤモンドのリングをプレゼントしてくれたのです。

曰く「遅くなったけど婚約指輪を渡してなかったから」とのこと。

大変な感激でした。

手元には、ゆるい曲線を描く華奢なプラチナ台に、ちょこんと瞬く0.3ctの星。

思いがけない憧れのダイヤモンド様のご光臨に、緊張してしばらく指にはめられませんでした。

 

初めてダイヤモンドを身につけた印象は『無垢』でした。

まるで生まれたての赤ちゃんの、初めて開いた瞳を覗いているような。

ダイヤモンドというと、七色のスペクトルをギラギラと放つのが特徴なのに加えて、

宝石の王様!というハデハデなイメージをずっと抱いてきたので、

この言葉が浮かんだのは驚きでした。

 

後にダイヤモンドの宝石言葉を調べると、なるほどそのまま『清浄無垢』。

あながち第一印象というのは侮れないものです。

しかし巷で良く言われている「ダイヤモンドを身に着けると心身ともに強くなる」

「邪悪なものから身を守る」という効能には、始めはピンときませんでした。

こんなにも純粋で繊細で小さな光に与えられた「強さ」という言葉にギャップを感じたのです。

 

そうした疑問はダイヤモンドと生活を共にするうち、少し違うニュアンスで納得することになりました。

ことあるごとにこの無垢な輝きを眺める度、なにか問われている気になってきたのです。

「自分はこのピュアな光に相応しい人間のだろうか」と。

そんな疑問が浮かんでからは、ダイヤのリングと共にある時間が少し変わりました。

手元の煌めきが目につく度、背筋が伸びるというか身が引き締まるというか。

とかく「ダイヤを身につけるに相応しい振舞い」を意識するようになったのです。

 

実生活への具体的な影響としては、ややルーズだった習慣を見直すことが出来たことや、

自分の意見をキチンと主張出来るようになったこと、

そしてそうするうちになめられにくくなったことで理不尽な扱いを受けなくなってきたことなど。

まさに「強くなる」「魔除け」といった巷で囁かれている効能通りの結果に至り、

妙な納得感にしみじみしています。

 

もしダイヤモンドはパワーがキツそうでちょっと……とお迎えするのを躊躇っている方がおられましたら、

一度お手に取って眺めてみることをお勧めいたします。

無垢な輝きに、「強さ」を身につけることへの勇気を貰えるかもしれませんから。



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